イケナイ恋事情―私の罪と彼の罠―
知り合った中学の頃から、誕生日には必ず何かしらをくれたし、付き合い出してからは他にも色んなイベントを意識してくれた。
誕生日、クリスマス、ホワイトデー。付き合って何年目っていう記念日。
サプライズ的なものも頑張ってくれたりするし、誕生日やクリスマスが近づくと、その話題を先に出してくれるのも祥太の方だ。
今年はどうするかと。
そして、そういう日は、いつも友達とワイワイするのが好きな祥太も必ずふたりきりで過ごしてくれる。
それは素直に嬉しいと思うし、そういう部分があるからこそ、七年も付き合ってこれたのかもしれない。
大事にされてるって形にしてくれるから。
祥太は腕組みをしながら背もたれに背中を預けて、難しい顔をする。
「アクセサリー系はもうネタ切れだしなぁ……。アクセサリーで選ぶとしたら、ピアスとかいくつあってもいいようなモンだけど……。
去年は、うっかり家電量販店入ったばっかりに、小型のナノイオン発生器になっちゃったからなぁ。
今年は絶対にそうならないように入る店にも気を付けないと」
「なんで? 私あれ会社で毎日使ってるよ」
去年のクリスマスに、プレゼントを決めかねた私と祥太がたまたま入ったのは、家電量販店。
そこで、パソコンに繋いで電源を取り、ナノイオンが発生する機器を見つけて、金額も一万円しないで丁度よかったからそれを祥太にお願いした。
私は毎日のように使ってるのに、何が不服なんだろう。
そんな風に思っていると、祥太が答える。