“ さよなら ” は言わないよ
_帰り道……
「もう、すっかり秋ですね。」
運転しながら葉の変色した木々を眺め巧(タク)が言った。
『フゥ~…あぁ、そうだな。』
公園の近くに差し掛かると何となく外を見ていると女を見つけた。
……特に綺麗な訳では無いし、特別可愛いわけでもないけれど気になった。
『……なあ。』
「え…若どうしました?」
普段、自分から話すことなど滅多に無い龍弥が話したからか、“どうしました?”より、“話しました?”と言った方が正しいような顔をして巧は言った。
巧の思ったことが顔に出ていてムカついたけど、それも気にならない位あの子に近づきたかった。
『一旦車止めてくれ。』
「え…あ、はい!どうしますか?」
『さっきの公園…』
「了解です!」
「_付きましたけど…どうするんですか?」
『ん、ちょっと待ってて。』