義兄(あに)と悪魔と私
それから数日、私は徹底的に母を避けた。
母が気持ち悪いというのは今更だったが、母の作った食事を食べたいとは思わなかったし、単に顔を合わせて何を話せばいいのかも分からなかった。
けれど、学校に行ってもぼっちはなのは変わらず、私は本当に居場所をなくしてしまったように感じた。
比呂くんの忠告も無視して、私が勝手に全部台無しにした。自業自得。
もし母が不倫をやめなかったら?
おじさんが知ってしまったら?
二人が離婚したら?
私はどうすればいい。
あれだけ守りたかった母を、もう母と思えないかも知れない。
そんなマイナスな思考ばかりが頭の中を支配する。
「本当にぼっち飯してるんだ」
クスクスという笑い声が聞こえてきたのは、一人屋上で購買で買ったパンをかじっていた時。