animal☆world
確かに初対面なのにじろじろ見過ぎたと思い
『すみません。あと、助けてくれてありがとうございました。』
と、頭を下げた。
タマも横で頭を下げている。
「……。礼ならタマに言うんだな。
俺はタマが助けてくれって泣きながら縋ってきたから助けてやっただけだ。
そうでなければ、お前みたいなニート、誰が助けるか。」
向けられる視線は憎悪。
初対面の人にそんな顔をされて、どう対応していいか分からない。
〈辞めな、龍牙。〉
そのとき、凛とした声が響いた。
声の方を見ようと振り返るが、体に走る激痛。
『痛っ!!』
思わず声に出せば
〈無理もないよ。
お前……………美聡だったか?
体のあらゆる所が折れてたんだ。
無理するんじゃないよ。〉
そう言ってゆったりとした動作であたしの前に姿を表した。
その姿はーーーーーーーーーー狼。
『…………綺麗。』
思わず声が出ていた。