animal☆world

あたしの態度に愉快そうに笑う狼ーーーユラを龍牙は睨みあたしの方に視線を向けた。


「ーーお前、行く宛はあるのか。」


尋ねられ、思わずきょとんとする。


『タマはどこまで話してるの?』


これでもしタマが嘘をついていた場合、話がこじれる。それだけは避けたい。


〈貴女が私達と会話ができることが向こうの幹部にバレたせいでニート達から暴行をされ、森に置き去りにされたところまでよ。

会話ができるのがバレないように生活しつつ獣達を守ってくれていたんでしょう?

それが家族にバレて幹部に渡され、タマ以外の獣たちはおそらく殺された。
タマはどうにか逃れ、貴女を追って森に来た。

そして龍牙と会って助けを求めた。〉


(あんた、中々嘘ついたわね。)

〈本当な部分もあんだろうが。〉


タマと心の中で会話をし、


『それが、全てよ。

ご存知の通り行くあてはないわ。』



と言った。


< 39 / 77 >

この作品をシェア

pagetop