FOREVER FRIEND
ピンポーン。

「はーい、どちら様ですか?」
女性の声、三井の奥さんだ。

「お久しぶりです、大友ですけど‥‥」
「あら~、ミカちゃん?久しぶり!すぐ開けるから待ってて」
「はい」

『ガチャ』
玄関から奥さんが出てきた。

「ミカちゃ~ん、元気だった?」
奥さんはミカに抱きついた。

「はい、まぁ」
「また、痩せたんじゃない?」
「そんな事ないですよ」
ユリアは楽しそうに話している2人を横で黙って見ていた。
すると、奥さんがユリアに気がついた。

「あれ?あなたもしかしてユリアちゃん?」
「えっ?はい‥‥佐田ユリアです」
「やっぱり!?本物だー!!会いたかったんだぁー。三井の家内の凛子(りんこ)です」
凛子は凄く、優しそうで気さくな人だった。

「こちらこそ宜しくお願いします」
「さぁ、2人共上がって上がって」

「凛さん、三井は?」
「あぁ~、何かね!久しぶりの長期休みだから好きな事するって言って、今日は競艇に行ったのよー」
「ボートに?」
「うんボート!まぁ多分、そろそろ負けて帰って来る頃だと思うから中で待ってて」
「じゃあ、お言葉に甘えてお邪魔します」

2人はリビングに案内された。

「座って座って、今お茶いれるから」
「凛さん、先にお線香上げさせてもらってもいいですか?」
「もちろん、ミカちゃんいつもありがとうね」

お線香?ミカ、急にどうしたのかな‥。

ミカはリビングの奥にある畳の部屋に向かった。

「ユリア、こっち」
ミカがユリアを呼んだ。

ユリアは何も分からずミカがいる畳の部屋に向かった。

畳の部屋には仏壇があった。
仏壇の写真に写っていたのはミカたちと同じぐらいの女の子だった。

ミカは慣れた手つきで線香に火を付け、手を合わせて拝んでいた。

「この子は、三井と凛さんの娘さんだよ‥‥」
「えっ!?」
ユリアは驚いた。




< 101 / 172 >

この作品をシェア

pagetop