FOREVER FRIEND
「実は、一昨年ぐらいから頭に原因不明な腫瘍が出来ていたんだよ」
「!?」
「その腫瘍は原因不明‥‥。
レントゲンには写ってるけど‥‥頭をあけて見ないと分からない、病名さえ分からない。だからその腫瘍のせいで、いつ何がおこるかも分からなかった。
入院する前にトイレで倒れた時には、その腫瘍が少し大きくなっていたんだ。だから頭の中にいつ異常がおきてもおかしくなかった」

「‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥」
「体は前と変わらず元気なのに‥‥。
いつ爆発するか分からないミカの時限爆弾は2つになってたんだ」

「ミカはそんな事、一言も言ってなかった‥‥」
「ユリアちゃんにはこれ以上、心配かけたくなかったんだよ」

‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥。
‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥。

「でももう、そんなの関係ないです‥‥。
私がそもそもあの時、遊びに誘わなかったらこんな事にはならなかった。ミカはまだ、生きられたはずなんです‥‥」
「ユリアちゃん、そんな事言い出したら‥‥」

「それに私は最低な人間」
「‥‥‥‥‥‥‥‥‥?」
「この手の傷‥‥何回か死のうと思っても、死ねなかった。ミカに会いたくて堪らないのに‥‥でも、ミカの悲しむ顔が浮かんでくるんです」

「だったらそれいいじゃん。ミカの分もちゃんと生きてやれば‥‥」
「そんな簡単に言わないで下さい!!どうしてリオトさんは平気なんですか?」
「!?」
「ルイさんも、先生も、みんなおかしいですよ!!ミカがいなくなってしまったのに‥‥。何でそんな普通にいられるんですか?
ミカにはもう、会えないんですよ!!なのに、みんなミカの事なんか‥‥」

『ドンッ!!!』
リオトが床を力一杯殴った。




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