FOREVER FRIEND
「なぁ、佐田。女の友情って、何かとめんどくさくないか?」
「どういう意味ですか?」
「もし、仮に佐田と大友が急に仲良くなって、つるんだとしてだ...しかしその前まで佐田と一緒にいた奴らはどう思う?」
「それは‥‥‥」

もしかして、可南子たちの事かな?
多分絶対、裏切り者扱いされそうな気がするけど‥‥。

「ワシが言ってる意味が分かったか?
この前まで佐田と一緒にいた奴らはどうするんだ?大友がそのグループに入るような奴ではないだろ?」
「‥‥はい」
「大友と仲良くなって一番辛い思いをするかもしれないのはお前だろ?」
「えっ‥‥じゃあ、もしかして!だから大友さん‥‥」
「多分な、佐田の為に断ったんだとワシは思う。でないと断る理由なんてないだろ?」
「あの、もし先生が言ってる事が本当なら私、大友さんに嫌われてる訳じゃないんですよね?」
「あぁ」
「‥‥そっか良かった」
ユリアは少し安心した。

「フッお前、単純な奴だな」
三井が笑いながら言った。

「でっ、本題だけど、佐田はどうしたいんだ?」
「どうしたいって?」
「だから、大友とマジで友達になりたいのか?もし、佐田がその気ならワシは協力するけど?でも、さっきも言ったけど、辛い思いをするのは佐田かもしれない。ワシが助けてやれるのも限界がある。それを覚悟の上でも大友と友達になりたいか?」

‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥。
‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥。

「‥‥ねぇ先生、私どうしたらいいですか?
先生に言われるまで、そんな深く考えてませんでした。もちろん、大友さんと友達にはなりたいんですけど‥‥確かにその先の事を考えると不安になってきました。先生だったらどうしますか?」

「なぁ佐田、ワシの意見を聞いてどうするだ?そのとおりにするのか?そうだったらそれは意味がない」
「‥‥‥‥‥‥‥‥‥?」

「もし、ワシが答えた方が佐田にとって辛く、困難になったら佐田は『先生が言った方にしたからこんな風になってしまったんだ』ってワシのせいにして自分を守るだけだろ?」

‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥。
‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥。

返す言葉がでない、先生の言うとおりだ‥‥。私は自分で決断を出すのが怖いだけなんだ。

「まず佐田は今、どうしたいんだ?
今の生活を壊さず、このままでいるのか、それとも勇気を出して新たな道を歩いてみるのか、どうせ最後に答えを決めなくてはいけないのは自分自身なんだ」

「‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥」

「本当は自分の中で答えはとっくに決まってるんじゃないのか?只、1歩踏み出す勇気から怖くて逃げてるだけじゃないのか?」

先生の言葉が胸に突き刺さる。
全部、先生の言うとおりだ。私はどうしたいの?このまま大友さんに言われた『くだらねぇ~友情』を続けて行くのか。

それとも‥‥。

先生が言った『新たな道』に踏み出してみるのか。決めるのは自分なんだ。でも、1歩踏み出すのが怖い‥‥でも、でも‥‥。


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