FOREVER FRIEND
悩んでいるユリアの様子を見て三井が優しく声をかけた。

「まぁ、答えは今すぐ出さなくてもいい。
焦る必要なんかない。ゆっくり考えたらいいんだよ!
しかし、悩みがあるって事も幸せなのかもしれないな~。って詩人みたいな事言ってみた、今のかっこ良かっただろ?」
「‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥」
「はい、無視~。さて、ワシもそろそろ肉食ってくるか~」
三井が立ち上がって歩こうとした。

「待って、先生!!」
「!?」
「私、やっぱり今の生活から抜け出したいです。『くだらねぇ~友情』なんてもう、嫌なんです!!大友さんの事をもっと知りたい!私、大友さんと友達になりたいです!!」

「はぁ~」
三井が大きなため息をついた。

「はいはい、そう言うと思ってました」
三井は笑いながら言った。

「それで本当にいいんだな?」
「はい!」
「それがお前が出した答えなんだな?」
「はい!」

この先に何があるか何て分からない。
だけど、後悔したくない。
もう、後ろを振り向かない。私は『新たな道』を歩いて行くんだ。大友さんと友達になりたい!この気持ちはもう、変わらない。

ユリアの決意は堅かった。

「よし、分かった。じゃあ、さっそくだけどなんか書く物持ってるか?」
「手帳ならありますけど‥‥」
「それでいい、メモしてもいい所を開けて貸してくれ」
ユリアは三井に手帳とペンを渡した。
そして自分の携帯を見ながら何かを書いていた。

「じゃあ、ここに書いている所に1回行ってみるといい」
ユリアは三井に返された手帳を見た。
そこには住所と地図が書いてあった。

「あの~、これってもしかして大友さんの家の地図ですか?」
「さぁ~ねぇ、行ってからのお楽しみ。
っで、いつだったら空いてる?」
「いつでも大丈夫ですけど‥‥」
「じゃあ、明後日な。ちゃんと予定開けとけよ」
「えっ、あの‥‥」
「向こうにはワシから連絡しとくから、頑張れよ!」
三井はそう言うとユリアの返事も聞かずに立ち去ろうした。

「先生、ちょっと待って下さい!どういう事かちゃんと説明して下さい」
ユリアは三井を呼び止めたが、三井は背中越しに手を振るだけで何も答えてくれなかった。

「ねぇ、先生!!」
「大丈夫だ、佐田!そこに行ったらなんとかなるから!そこがお前の『新たな道』の入り口だ!後、言い忘れてたんだけど‥‥」

「?」

「もしこの先、お前に何か困難な事や辛い事があっても、ミカなら必ず助けてくれるから安心しろ!」

「!?」

「じゃあ、健闘を祈る」

三井はそのままみんながバーベキューを楽しんでいる所に行ってしまった。

ユリアは三井が言った言葉を聞き逃さなかった。

先生、今‥‥。
『ミカ』って言ったよねぇ‥‥。



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