FOREVER FRIEND
ー数日後ー

今も可南子たちからの嫌がらせは続いていた。最初は嫌がらせのメールだけだったのだが、それだけでは治らず、少しずつエスカレートしていた。

例えば、ユリアの上靴に画鋲がたくさん入れられていたり、トイレに行くと後から付けられ、わざとドアを蹴られたり、後ろからぶつかってきたり、体操服、教科書などがゴミ箱に捨てられていた時もあった。

ほかにも色々あったが、ほとんどが“陰湿なイジメ”が多かった。

しかしミカが一緒にいる時は絶対に何もしてこなかった。
ミカにバレる事が怖かったのだ。
可南子たちはミカの事を一目置いていたからだ。

はぁ~、今日はミカ来るかな?
昨日の夜、メールしたんだけど返信がなかったし。今日はミカがいないからちょっと保健室に避難しとこう。

ユリアは昼休みが始まると、すぐに教室から出て保健室に向かった。

すると、保健室に向かう途中に‥‥。

「おい!!」
後ろから声をかけられた。
ユリアは誰の声かすぐに分かった。

「お前、大丈夫か?」
声をかけてきたのは三井だった。

「‥‥大丈夫って何がですか?」
「そんなのワシが言わなくても、自分が1番分かってるだろ?」
「‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥」
「そろそろ、ワシの出番だな」
「いいえ、これは自分がまいた種なんで‥‥出来る限り自分で何とかしたいんです」
「う~ん、本当に大丈夫なのか?」
「どうしても、ダメだったら言います!」
「でもあんま、無理すんなよ!本当、限界になったら、ちゃんとに言えよ。どうにかなるように考えてやるから」
「ありがとうございます!あっ、でもこの事ミカには絶対言わないで下さい」
「フッ、ワシが言わなくても、アイツには絶対バレると思うけど‥‥?つうか、アイツ既に気づてるんじゃないのか?」

‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥。
‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥。

「まぁ、マジで無理はするなよ。1人だと思うな。ちゃんとワシもいるんだからな」
「‥‥分かってます、ありがとうございます」
三井はユリアの肩を優しく触れ去って行った。

ユリアは改めて三井の優しさが伝わった。
自分は1人ではない。ちゃんと自分の事を見守っていてくれている人がいる。
そう思うだけでまた、勇気が沸いた。

でも、ユリアはミカだけには何としてもバレてほしくなかった。優しいミカの事だから多分、自分の責任だと感じると思ったからだ。
そんな思いをミカにさせたくなかった。



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