FOREVER FRIEND
「実はこの前、三井に話があるからって呼びだされたんだ。私らは絶対、ユリアがチクったんだと思って約束の場所に3人で行ったんだけど、そこにいたのは三井じゃなくて、大友さんだった...」
「えっ?」
「だから、ウチら絶対シメられるんだと焦ってたんだけど‥‥」

「...........................」

「そうじゃなかった......それの反対だった」
「反対?」
「そう、シメられるんじゃなくて...頭を下げてお願いされた」

「私らに『ユリアは何も悪くない』『気にいらないなら自分に何してもいい』『ユリアは自分にとって“かけがえのない存在だから”傷つけないでほしい』って頭を下げられた」

ミカが私の為に‥‥。

「何かさ、大友さんにそんな事言われたら自分らが惨めに思えてきたんだよねぇ‥‥。
それに大友さんに会って、ユリアが大友さんに惹かれた理由が改めて分かったんだ。大友さんにあそこまでしてもらえるなんてユリアが凄く羨ましく思えた」

「後、あの人ってさオーラっていうか、人を引き寄せるみたいな何かを持ってる気がする。上手く言えないけどさ‥‥」

「ウチは夏休みにさ~、何回かユリアが大友さんといる所見たんだよねぇ~。そしたらユリアがウチらには見せた事ない顔で楽しそうにいるとこ見て、ちょームカついたんだけど‥‥大友さん本人に会ってみて『この人なら仕方がない』って素直に思えたんだよねぇ~」
真美が言った。

「ユリア、最近変わったよね!明るくなったし、楽しいそうだよ。ユリアを変えたのも大友さんなんでしょ?大友さん、格好いいよねー」
明日香が優しく言った。

「まぁ、そういう事だから大友さんによろしく言っといて」
「可南子、教えてくれてありがとう。後、何か色々とごめんね‥‥‥」
「ううん、謝るのはウチらの方だし‥」
「みんな本当、ごめん‥‥」
ユリアは3人に頭を下げた。


その後、可南子たちが先にトイレから出て行った途端、今まで我慢していた涙が一気に溢れてきた。また、ミカの優しさが身にしみて分かったからだ。
ユリアはその場でうずくまって泣いた‥‥。


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