涙歌
わたしがクラスに戻ると文化祭の話がすでに進められていた。
((コウ君のせいで...あーもう適当に座って聞いてよう))

そんなことを思いながら黒板を見て居ると...

"クラス対抗、ソングコンテスト"クラス代表に花丘ミレイと名前が書かれていた。

「え?!!」

「どうした花丘?」

「わたしソングコンテストになんか出ません。」

「でも決定事項だからな...それにホームルームを遅れた花丘も悪いだろ??」

わたしの担任はそう言って話を片付けようとした。確かに遅れたわたしが悪い。でもよりによって、音楽関係なんて...

「いいじゃん花丘、やってみれば?お前歌好きだろ??」

小学校からずっと一緒のケンタがそう言った。ケンタはわたしが歌が好きなことをだれよりも知って居る。でもケンタの前では歌ったことなんてもちろん無い。わたしが人前で声がでなくなることも知らない。
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