君影草~夜香花閑話~
夕餉の後で、捨吉は真砂と、最終的な打ち合わせをした。
「中の様子がわからんからな、無理は出来ん。だがおそらく、そう警備も厳重ではないだろう。的(まと)は言ってしまえば文一つ。肌身離さず持っておけるといえばそうだ」
「ではやはり、あきや千代姐さんの手が必要ですね」
「まぁ……そのほうが事を荒立てなくていいが。最悪力づくだな」
真砂の眉間に皺が寄る。
殺せないというのは厄介だ。
返って難しい。
「まずは、あいつらの状態を探るか。千代かあき、どちらかに渡りをつけられれば、ちょっとは楽だ」
そう言って、真砂は部屋の片隅に集まっている少年らに目をやった。
皆各々、寝支度をしている。
「羽月、来い」
真砂に呼ばれ、布団を運んでいた羽月は、一目散に駆けてきた。
真砂の前に来るなり、ざっと片膝をついて頭を下げる。
「中の様子がわからんからな、無理は出来ん。だがおそらく、そう警備も厳重ではないだろう。的(まと)は言ってしまえば文一つ。肌身離さず持っておけるといえばそうだ」
「ではやはり、あきや千代姐さんの手が必要ですね」
「まぁ……そのほうが事を荒立てなくていいが。最悪力づくだな」
真砂の眉間に皺が寄る。
殺せないというのは厄介だ。
返って難しい。
「まずは、あいつらの状態を探るか。千代かあき、どちらかに渡りをつけられれば、ちょっとは楽だ」
そう言って、真砂は部屋の片隅に集まっている少年らに目をやった。
皆各々、寝支度をしている。
「羽月、来い」
真砂に呼ばれ、布団を運んでいた羽月は、一目散に駆けてきた。
真砂の前に来るなり、ざっと片膝をついて頭を下げる。