【完】立花くんは愛し方を間違えてる。
「なに? チューでもされた?」
はああっ!?
「……っあの! わたくし、飲み物を買って参ります!」
「あっコラー! 逃げるなくるみー!」
……チューなんてされるわけないでしょ花鈴のバカ〜!!
カッと熱くなった頬を隠すように、わたしはパッと部屋を飛び出した。
何で花鈴ってたまに、あんなに鋭いんだろ?
普段おちゃらけてるくせに……。
……でもいずれ、二人には話さなきゃなあ。
立花くんに、好きって言われたこと。
わたしはまだ、なんだか実感がわかないけど。
「お」
自販機のある場所への曲がり角を曲がった時、小さく聞こえたその声。
「た、立花く……!?」
な、何でいるの!?
いつもいつも、絶妙なタイミングで……っ!
「おまえもジュース買いに来たの?」
「う、うん、まあ……」
「なんか顔赤いぞ?」
「……」
あなたとのことを勘繰られて、恥ずかしくなって部屋を飛び出して来たんです!なんて……
言えるわけない〜!!