【完】立花くんは愛し方を間違えてる。
「あー……、もう風呂入った? だから赤いのか? 顔」
「……そ、そうかも!」
よ、よかった変に追求されないで。
一応納得してくれてるみたいだ。
「ふーん」
そう呟いたかと思えば、ジロジロとこっちを見てくる立花くん。
そういう立花くんもお風呂上がりなのか、普段の制服姿とは違うラフな格好をしていて。
少しだけ、変な感じ……
「な、なに? そんなに見ないでよ……」
「いや。別に。……風呂上がりってエロいなって思っただけ」
「なっ」
へ、変態! 立花くんは変態だ!
「着物姿もなかなかだったけど」
「……七五三って言ったくせに」
「……。あれは嘘」
しかも、ずるい。そんなこと言うの。
「てゆーか、あんまそんな格好でウロチョロすんなよ」
「わっ」
くしゃっと頭を撫でられて、その瞬間。
ふわっとシャンプーのにおいのようなものが鼻をかすめる。
いつもと同じはずなのに……ほんのちょっと、その手つきが優しく感じる。
気のせい、かな?