【完】立花くんは愛し方を間違えてる。



「ご、ごめんなさい……」


「さっさとジュース買って部屋戻りな」


「うん……わかった」




確かにこんな部屋着も同然の格好で夜中に一人で出歩くのはよくなかったなぁ。



と、反省しながらジュースを買おうとしてふと気づく。





「あ、お金……忘れた……!」



「はぁ? おまえ、あほじゃねーの?」





すかさず飛んでくる、いじわる攻撃。



だ、だって慌てて飛び出して来たから財布のこととか考えてなかったんだもん……!



ハァ、とため息をついた立花くんは。


チャリンと自販機にお金を入れて、



「で、何が欲しーの?」



と、わたしに問いかけてくる。




「え、いいよ気にしなくて……!! いらないよ、全然っ」



「勘違いすんなよ。おまえがあまりにもアホでマヌケでかわいそうだから、同情してやってんだよ」



「うっ」



返す言葉もない……。



< 113 / 245 >

この作品をシェア

pagetop