【完】立花くんは愛し方を間違えてる。



早くしろ、と催促してくる立花くんに押し負けて、わたしは、


「りんごジュース……」


と小さく答えた。



すると、すぐにりんごジュースを買ってくれた立花くんは、それをわたしに手渡してくれる。


そのとき指先が少しだけ触れて、ドキッとする。



パッと見上げるといつもと違う雰囲気の立花くんがいて。



またそれにドキッとする。




『なに? チューでもされた?』




……な、なに思い出してんのわたし!!


こ、こんな時に!




さっきの花鈴の言葉が脳内に蘇って、反射的に立花くんの口元を凝視してしまう。



───た、立花くんと……ち、ちゅー……



その形の良い唇がゆっくりと近づいて来て、視界が綺麗な顔でうめつくされ、そしてわたしの唇に……



って、だああああ!!


わたしは、一体なにを想像してるの!?



これじゃ、変態はどっちか分からないよ……





「なに物欲しそーな目で見てんだよ」





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