【完】立花くんは愛し方を間違えてる。
修学旅行の最中でも、班行動中は常に一緒にいたはずなのに。
こうして一対一で話すのが久し振りな気がするのは……
やっぱりわたしがずっとボーッとしてたっていう証拠だよね。
こうして学校の中にいると、やっぱり立花くんは……なんていうか、立花くんで。
ちょっと遠い存在の、カッコいい男の子で、わたしに意地悪ばっかりするひとで。
(わたし本当に、立花くんに告白なんてされたのかな……?)
いつも通りの彼の様子を見ていると、やっぱり幻だったんじゃないかとさえ思ってしまう。
……それにしても、なんでこの席に座ってるんだろう。
いつまでここにいるつもり?
わたしが不審な目で見ているのに気がついたのか、
「なに?」
と、たずねてくる。
その目と目が合った瞬間思わず、ドキッとしてしまい、すぐに目をそらしてしまう。
「あ……えっと、なんでここにいるのかなぁって思って、」
「ああ。俺、今日からこの席に変わったからな」