【完】立花くんは愛し方を間違えてる。
なんて、すこしだけニヤニヤしてるわたしの顔を、彼が見逃すわけなんてなかった。
「ニヤけてんじゃねーよ、ばーか」
「……!」
ば、ばれた。
予想通り、すかさず、立花くんのいじわる攻撃が飛んできた。
でも、し、仕方ないじゃん……もしかしたら、人生初の告白かもしれないんだよ?
ま、こんな常日頃から告白ラッシュみたいなひとに言っても、理解されないだろうと思うけど。
「立花くんには、カンケーないもん……」
と、少し反撃してみた。
一瞬。ほんの一瞬だけ、いつも余裕な立花くんが珍しく、ピクリ反応した気がした。
でも、すぐにこれ以上の報復が待ってることは目に見えてたので、それだけ言い残して、わたしはサッとその場を離れる。
そう、逃げちゃえば何も怖くはないのだ。
逃げるが勝ち!ってね。
───どうせ逃げたって、この後もっと恐ろしいことが待ってるってことになんて、まったく気づかずに。