【完】立花くんは愛し方を間違えてる。
梶くんが一体、なにを思ってそんなことに協力してしまったのかは分かんないけど。
きっと、憧れの立花くんから言われたら喜んでやりそうだし……
「ま、また不正したんだ……」
少しだけ非難の目向けてみる。
すると、フッと余裕の笑みで返される。
「今回はすぐ気付いたんだ? 成田みたいなおバカちゃんでも、ちゃんと学習すんだな。エライじゃん」
なんか、なんか……いじわるに磨きがかかってる気がするのは
わたしの気のせい……?
(え……? 立花くんって、わたしのこと好きって言ったよね??)
……なんだか頭が混乱してきた。
フラッと倒れるように席に着いたところで、朝のHRの始まりを告げるチャイムが鳴って。
佐々木先生が意気揚々と何かを話していたけど、わたしには全く聞く余裕がなかった。
それよりも、
"立花くんとまた隣の席になってしまった"
という事実だけが頭の中をぐるぐると回って……。