【完】立花くんは愛し方を間違えてる。
「残念だったなぁ〜?
ま、これからまたしばらくよろしくな」
と、楽しそうな声がまた、いつもの位置から聞こえてくる。
なんでこんなことになっちゃったの……
一気にいろんな感情が込み上げてきて、わたしは机に突っ伏す。
すると、横で立花くんも同じように机に体を倒すから。
同じ高さで、目線が合う。
「この席……いいな」
「えっ?」
立花くんの真っ黒な瞳に、わたしのまぬけな顔が映っているのが見えるほどの距離。
「誰からも見られずに、おまえに構えんじゃん」
「……っ」
と、いうのも。
わたしの席が窓際の、一番後ろの列の席だからだ。
それに加えて、わたしたちの前の席の人は背が大きくて、前からもあまり見えない。
……だからって、そんな嬉しそうにしないでよ。
ほんとに、勘違いしちゃうよ?
「し、知らない……っ」
途端に恥ずかしくなって、くるりとそっぽを向く。
すると。