【完】立花くんは愛し方を間違えてる。
絶対にわたしたちのことだ……!
立花くんのせいで、また怒られちゃったじゃん〜!!
───きっと、いま、ゴリちゃん先生は恐ろしい顔でわたしたちを指差してて。
前の席の花鈴は振り返って笑ってる。
立花くんは、絶対に当事者のくせに他人事のように楽しそうに笑ってるんだろう。
けど、顔を上げてそれらを確認することができない。
……だっていま顔をあげたら。
わたしの顔はユデダコのように真っ赤だ。
むりだ、むりに決まってる。
だって、だって……今わたしの耳に触れたのはどう考えても……。
───み、みみ耳に…キスされちゃった!?
わざとなのかな?
それとも、偶然触れちゃっただけ?
わたしを困らせようとしてるんだろうか……。
気になりすぎて、顔を突っ伏したまま、向きだけを変えてこっそりと隣をうかがう。
バレないように……