【完】立花くんは愛し方を間違えてる。
だから。
このまま流されて……
立花くんの気持ちも。
自分の気持ちも。
分かんないままなんていうのは、絶対に嫌……。
……多分、いやきっとわたしはいつの間にか立花くんが。
あんなにきらいで、苦手だった立花くんが。
きらいじゃなくて、むしろ───。
だから、こんなに胸が痛くなる。
立花くんの気持ちが読めなくて。
「……好きって言われても、伝わらないよ、全然」
「……」
「……わたしは、きらい……立花くんなんて…意地悪だし、好きになんてならない……!」
───なんて。心の中では素直でいられるのに。
どうして、言葉に出せないんだろう。
「わたしのこと、本当に好きだっていうんなら……立花くんは、ぜったい愛し方を間違えてるよ……っ」
この悲しみと苛立ちは、一体どこからやって来るんだろう。
なんで、涙が溢れるんだろう。