【完】立花くんは愛し方を間違えてる。
それどころか授業中はほぼずっと、寝ているのか、机に顔を突っ伏していて、表情すらも分からない始末。
休み時間は、相変わらず"目立つグループ"の人たちと一緒にいるみたいだし。
……でも、わたしたちの関係って、本当はこんな程度のはずなんだよね。
って、そう思ったらひどく胸が痛んだ。
いやだ。わたし、こんなの嫌だ……
立花くんのこと、いやだったのに。うっとおしかったのに。
……でも、こんなふうに話せないくらいなら、意地悪されてるほうがいいに決まってる。
───うん。悩んでてもはじまらない!
話しかけよう、立花くんに!
わたしはそう決心した。
イチからスタートしたと思えばいいんだ。
でもそう思ったら、立花くんは最初、わたしにどんな気持ちで話しかけてくれたんだろう。
入学式のあの日。
初めて出会って、隣の席になったあの日。
今度は、わたしの番……!
よしっ、と意気込みを入れて席を立ちあがったのはいいものの。
あいにく、今は休み時間だった。
……一体、どこにいるんだろ、立花くん。