【完】立花くんは愛し方を間違えてる。
11.きみが好きです、立花くん。
───ガラガラガラッ
勢いよく扉を開けて、そのまま小走りに自分の席へと向かう。
そして、席に着いたその瞬間、ほぼ同時にチャイムの音が鳴り響いた。
わ……ギリギリ、セーフ……
「どーしたの、くるみ? どこ行ってたのよこんなギリギリまで」
「か、花鈴……いや、ちょっとね……」
幸い、ゴリちゃん先生はまだ来ていないようで。
息も切れ切れ、そう言うと「ふーん」と呟いた花鈴はちらりとわたしの隣の席を見る。
「立花くんもいないし……そう言えば、大丈夫なのかなぁ、立花くん」
「え? 立花くん、何かあったの?」
「ああ、くるみはいなかったんだっけ。さっきね、体調が悪いからって保健室に行ったきり戻って来てないのよ」
「え!?」
「すまんすまん〜、少し遅れたが、授業始めるぞ!」
わたしが驚いた声を上げたところで、タイミングよくゴリちゃん先生が教室に入ってくる。
花鈴はそそくさと前を向いてしまった。