【完】立花くんは愛し方を間違えてる。




わたしばかり、ずっと目で追っている───




「……ごめんね」




その顔を見ていると、自然と声が漏れた。




ふたりきりの静かな空間がそうさせたのか。


はたまた、あどけない寝顔がそうさせたのか。





「ごめんね、立花くん……」





……きらい、って言ってごめんね。


好きにならないなんて言ってごめんね。



間違ってるなんて言って。


ずっと、きみの本当の気持ちに気づかなくて、ごめんね。





わたし、ちゃんと分かったから。



立花くんの気持ちがわからなくて、いらいらするのは、もやもやするのは……


それは、わたしが……





「きらいなんて嘘。
……本当はわたしも、立花くんが、好……」





そこまで言いかけた瞬間。


ふと、眠っていたはずの立花くんの目がぱっちりと開いていることに気がついた。



バッチリと、絡み合う視線。



って、ええええええ!?




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