【完】立花くんは愛し方を間違えてる。
「……保健室にいくって言ってきた」
「今の授業、ゴリちゃんだろ?」
「うん。……立花くんの居場所を聞かれて、間違えて立ち上がっちゃって、その、ついでに」
「はは、やるじゃん。俺を心配してきたの?」
「う、うん……」
「なんだ、寝込み襲いにきたのかと思った」
「……。は、はぁぁ?」
一瞬、何を言われてるのかが理解できなかった。
けど、ニヤッと笑ういつものその顔を見て、からかわれているんだと悟る。
もう……気を抜くとすぐ、こうやって立花くんのペースだ。
だけど、久しぶりの会話に、久しぶりの意地悪に胸がぎゅっと締め付けられる。
「襲っていーよ?」
と、立花くんがベッドに寝転んだまま手を広げる。
あんぐりと口を開けたまま言葉を発せないわたしに、
「ていうか俺が襲う」
と、意味不明なことを言ったかと思えば。
次の瞬間、ぐいっと引き寄せられ、そのまま、強い力で抱きしめられるわたしの体。