【完】立花くんは愛し方を間違えてる。
まだわたし、本当に立花くんに好かれてるっていう実感が湧いてないんだから……。
だから。触れる手の優しさや、温もりや、わたしを見つめる瞳にそれを感じるたび。
嬉しくて、恥ずかしくて、仕方なくなる。
「追いかける方の気持ち、少しは分かった?」
……うん。痛いほど。
顔を覗き込まれて、わたしはこくこくと何度も頷いた。
そんなわたしを見て、立花くんは嬉しそうに目を細め、「可愛い奴」なんて呟いてる。
……熱が出ておかしくなってるの?
「成田」
と、愛しそうに名前を呼ばれる。
「なに? 立花くん」
「な〜りた」
「……だから、なに?」
「おいで。俺の腕の中」
な、何言ってるの本当に!?
大きく手を広げてその腕をわたしの方に伸ばしてくる立花くん。