【完】立花くんは愛し方を間違えてる。
は、恥ずかしいよ自分からなんて……!
かああ、とどんどん自分の顔が赤くなっていくのが鏡を見なくたってわかる。
わたしが渋れば渋るほど、立花くんが楽しそうに笑った。
えい、こ、こうなったら行くしかない……!
覚悟を決めて、その腕の中に飛び込んだ。
すると間も置かずぎゅっと強い力で抱きしめられて、その手が優しくわたしの髪を撫でてくる。
熱い……立花くん……。
「なぁ、いい加減さっきの続き、聞かせろよ」
「……っ」
「"立花くんが"……何?」
分かってるくせに。
ほんとうに、意地悪。
……わたしはいっつも、こうやって結局立花くんの思い通りだ。
「……わたし、立花くんが、好き」
「知ってる」
でも好きになっちゃったんだもん。