【完】立花くんは愛し方を間違えてる。
なんてぐるぐると考えているうちにHRの始まりを知らせる本鈴が鳴って。
加奈と花鈴はそれぞれ自分の席に戻っていく。
「はぁ〜……」
ど、どうしようこれから本当に……。
「なにデケェため息吐いてんだよ」
そんな声とともに、ぶにっとほっぺを横からつままれる。
た、立花くん……仮にも好きな子によくそんなことできるね。
「で、なに隠そうとしてんだよ?」
不機嫌そうな声と表情。
バ、バレてる……
「だって……」
「だって、何だよ? 言えばいーじゃん。"立花くんが好き"って」
「うわああっ」
大きな声で言わないでよっ!
それに、なんか、自分で言うのと人の口から聞くのは違うの。
恥ずかしがるわたしを見て、ますます不機嫌そうな顔になる立花くん。
「へぇ〜、成田にとって俺が好きって言うのは恥ずかしくて、隠したいことなんだ?」