【完】立花くんは愛し方を間違えてる。




え?

ち、違う……そうではなくて……!



頬杖をついてこっちをジトーッと見てくる。


こ、これは、明らかに怒っている……。




「隠したいわけじゃなくて……ただ、その、なんていうか、」



「……」



「まだ、実感が湧かないと言いますか……」



「実感?」




わたしの答えが意外だったのか、きょとんとする立花くん。





「……立花くんみたいな人が、わたしなんかを好きなんて……」





もう、疑ってるわけじゃないけど。


でも、まるで夢みたいで。



嬉しくて、ふわふわ、して、そんな気持ち。




だってもともと、住む世界が違うような人なのに、こうしてこんな風に話せているのは……


立花くんがわたしの目線に合わせてくれているからなんだよね。




< 187 / 245 >

この作品をシェア

pagetop