【完】立花くんは愛し方を間違えてる。
え?
ち、違う……そうではなくて……!
頬杖をついてこっちをジトーッと見てくる。
こ、これは、明らかに怒っている……。
「隠したいわけじゃなくて……ただ、その、なんていうか、」
「……」
「まだ、実感が湧かないと言いますか……」
「実感?」
わたしの答えが意外だったのか、きょとんとする立花くん。
「……立花くんみたいな人が、わたしなんかを好きなんて……」
もう、疑ってるわけじゃないけど。
でも、まるで夢みたいで。
嬉しくて、ふわふわ、して、そんな気持ち。
だってもともと、住む世界が違うような人なのに、こうしてこんな風に話せているのは……
立花くんがわたしの目線に合わせてくれているからなんだよね。