【完】立花くんは愛し方を間違えてる。
「ちょ、ちょっと! 何やって……」
立花くんがわたしの顎をクイっと持ち上げる。
それだけで鼓動が早くなるわたしの心臓はきっとどこか壊れてる。
「気絶するほどキスしてやろうと思って」
「は!? はあぁ?」
ついにおかしくなっちゃったの!?
今仮にも学校だよ? HR中だよ??
それに……
「だ、だめに決まってるでしょ!」
「なんで?」
「だって……そういうのは、ちゃんと付き合ってからじゃないと……」
「は?」
驚いた表情をした立花くんの手が、パッとわたしから離れていく。
そ、その表情……まさか……
好きだとは言ったけど、付き合うなんてありえねーから! って表情?
そんな……やだ……
「わたしたち、ちゃんと…その、付き合ってるのか……なんなのか、分かんないし」
自分で言い出して、泣いちゃいそう。
付き合わないって言われたらどうしよう。