【完】立花くんは愛し方を間違えてる。
それを聞いた花鈴は何か思い当たる節があるように、ウッと言葉に詰まっていた。
……ああ、なるほど。伊武くんのことか!
やっぱり、花鈴も素直になれないだけで、きっと本気で嫌ってるわけじゃないんだよね。
よかったね、伊武くん。
けっこう脈、ありそうだよ!
「えー、何の話? 俺も気になるな」
と、天使のような笑顔でそう言う梶くん。
無知って怖い……。
「だめだめ! 梶くん、何気にあいつと仲良いでしょ! 絶対バレるしっ」
「あいつって誰?」
「……っあいつはあいつ! ハイもうこの話終わり!」
「そんなぁ……」
普段、梶くんには猫をかぶっている花鈴が必死になって話を逸らそうとしているのが、なんだか可笑しくて。
思わずぷっと吹き出す。
すると、みんなたまらず可笑しくなったのか、クスクスと笑いだして、止まらなくなって。
わたしたちはお昼休み中ずっと、
意味もなくただただ、みんなで笑っていた。