【完】立花くんは愛し方を間違えてる。
「なぁ、やっぱりさ、なんか特別な勉強とかしてんのか?」
そのグループの中のひとりの、チャラチャラした茶髪の男子が、立花くんに問いかけてるのが嫌でも耳に入ってきた。
さ、さっさと立ち去ろう……
立花くんに見つからないうちに。
だって苦手なんだもん。
この人たちと一緒にいるときの立花くんは。いつもより、もっと。
なんだか別の世界の人みたいに見える───
「いや、別に。俺勉強とか好きじゃねーし」
「なら、なんでこんな成績いいわけ?」
「さあ? ま、普通にまじめに授業受けてれば誰だって取れる点数だろ」
……う、ウソつけー!!
思わず立ち去ろうとしてした足を止めてしまった。
だって、ウソつくんだもん立花くんが…!
わたしの隣の席に座ってるとき、一度だってまじめに授業なんか受けてなかったくせに。
いっつもわたしに、ちょっかいばかりかけて……!
ほぼ話なんて聞いてないくせに!
「ま、大事なのは授業を楽しんで受けることだ。───な、成田?」
「フェッ!?!」