【完】立花くんは愛し方を間違えてる。




「あの、あの、そ、それは……っ」



って、思わず声を発してしまったけど。


今考えるとわたし、高野さんと喋ったことすらないのに!



しかも、一体なんて言ったら……否定するわけにもいかないし、かといって認めるとなると……




って、高野さんジーッとこっち見てるし〜!




「あれ? 言ってなかったか?」




なのに。

突然、強い力で、グッと体を引き寄せられる。



見上げるとそこには、いつもとちょっと違って見える立花くんの顔。




「こいつのこと、ずっと俺のものにしたかったって」




え───!?





「……聞いてたけど。だからって本当に付き合っちゃうなんて思わなかった」



「おかげさまで」



「えっ? ええ?」




トントン進んでいく二人の会話に、わたしは訳がわからずパニック。



……話してたの? わたしのこと。




< 208 / 245 >

この作品をシェア

pagetop