【完】立花くんは愛し方を間違えてる。
っていうか……
"俺のものにしたかった"って……。
いつから?
わたし、どれくらい前から立花くんに想われてたんだろう?
なんて一人で悶々としていると。
パッとこちらを見つめている高野さんと目が合う。
……やっぱり、いつも睨まれてると感じてたのは、勘違いじゃなさそう。
「ま、いーんじゃない?」
え?
てっきり何か嫌味の一つでも言われると思って身構えていたから、予想外の言葉に拍子抜けしてしまう。
まさか、認めて……くれた、の?
───なんて、少しでも思ったわたしがバカだった。
「……玲の相手は大変だろうけど、せいぜい頑張りなよ?」
って。わたしの肩に手を置いて、そっと囁いた高野さん。
わたしが何か言うより前に、そのままスタスタと歩いて行ってしまった。
「……」
「何だったんだあいつ? ……行くか」
……"玲の相手は大変だろうけど"か。