【完】立花くんは愛し方を間違えてる。
ほんとに突然、名前を呼ばれたわたしは、
驚きのあまり多分、10センチくらい飛び上がった。
……ていうか、わたしがいたこと、気づいてたんだ。
そしてすかさず聞こえてくるのは、いつもと同じクスクスという笑い声。
「バカみたいな声」
「……〜〜っ」
あのね、"楽しんで授業を受ける"とか言ってるけどさ。
立花くんは、わたしをいじめて楽しいかもしれないよ?
でもわたしは、毎時間毎時間、苦痛なんだから…!
「だれ、この子? 玲のなに?」
ハッ!! ほら! 立花くんが変にわたしなんかに構うから!
キレイな女の子が反応しちゃったよ……! なんか少し睨まれてる気がするし。
ああもう、今すぐこの場から逃げ出したい。
「ああ、こいつは俺の、」
……でも、"立花くんにとってわたしは 何なのか"少し気になる。
なんて、言うんだろう。
「大事な……」
えっ……だ、大事!?