【完】立花くんは愛し方を間違えてる。




そんなことを思いながら、わたしも続けて中に入ると。


なぜか、前わたしたちが掃除する前に初めて入った時と同じようなホコリっぽい匂いが立ちこめている。



え? これって───



不思議に思ったその時だった。




ピシャ、カシャンと続けて音がして。


それは、立花くんが後ろ手で今入って来た扉を閉め、その上鍵も閉めてしまったんだと気づいた……


次の瞬間には。




「!? ひぇ…っ……な、なに」


「なぁ、成田」




なぜか、扉と立花くんのとの間に挟まれているわたしの体。


そして、少し笑みを含んだ顔で見下ろしてくるそのひと。




「なんか思ってることあんなら、さっさと言えば?」


「っ……」




……さっきの子には絶対そんな意地悪な顔しないでしょ?


優しくするくせに。



って、また、嫌な感情が芽生える。




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