【完】立花くんは愛し方を間違えてる。
「……嫌。言わない」
「……どうしても言わないって言うんなら、あらゆる手を使って吐かせるけど?」
あ、あらゆる手……!?
それって一体!?
思わず想像を膨らませてしまうわたしを見て、また立花くんがクスクスと笑う。
た、楽しんでる……。
「……言わない……ていうか、言えないよ。は、恥ずかしいんだもん」
「!」
わたしだって、立花くんを下の名前で呼んでみたい。
優しくされたい。
立花くんをもっと知りたい。
溢れてくるのは、願望ばかり……。
「大丈夫」
優しくされたい、って言葉が、まるで届いたかのような声。
そして、一緒に頭を撫でられて。
「俺は、成田の思ってること全部知りたい。
……嬉しいことも、悲しいことも、全部。
だから、全部口に出して。
一つ残さずちゃんと、受け止めてやるから」
立花くんは、すごくいじわるなのに。
やっぱり、いつもわたしを見ていてくれる。