【完】立花くんは愛し方を間違えてる。
そんな声が耳のすぐそばで聞こえたかと思うと。
ちゅ、と耳に何か熱くて柔らかいものが当たる感触。
それがキスされているのだと気がついた時にはもう、立花くんの唇は今度は首筋に移っていて。
「……なんで、結局いつも俺が振り回されてんだよ」
「……っ、」
数回、そこにキスをされて。
わたしの頭は沸騰寸前。
すると、少し名残惜しそうに体を離した立花くんが、こちん、とおでこ同士をくっつけてきた。
「成田……そろそろキスしていい?」
やけに色気のある声と表情。
キキキ、キスって……この流れからして、口に、だよね?
わわわ、き、緊張する……!
だって初めてなんだもん! こんなの!
で、でも……でも……
「いい……よ」
「上出来」
ふっと立花くんが小さく笑ったのが分かった。