【完】立花くんは愛し方を間違えてる。
バッと立花くんの方を見ると、予想と違わずその顔はニヤニヤと笑っている。
嫌な予感がする……
「湊、俺が本当のにーちゃんになったら嬉しい?」
「うんっ! だって毎日遊べるんでしょ?」
「そーだな」
よくできましたー、とばかりに湊の頭を撫でながら、こっちを向いた立花くん。
「……だってよ? おねーちゃん」
「へ!?」
なぜ、そこでわたしに振ってくるの!?
だだだって、本当のお兄ちゃんに……って、それってつまり、結婚、ってことでしょ?
ささささ最近やっと付き合ってるんだな、わたしたち〜くらいに思えてきたレベルなのに!
け、結婚なんて早すぎるよ!
わたしたちまだ、高校生だし!
で、でも……立花くんが旦那さん、かあ。
い、いけないいけない! 妄想したら止まらなくなる……!
消えて、消えてっ、煩悩!
「プッ……冗談だっつの」
「……。へ!?」