【完】立花くんは愛し方を間違えてる。
気がつくと、目の前にはお腹抱えて笑っている立花くんの姿が。
冗談? 冗談……冗談……
また、からかわれたんだと気づいた時、思わず想像までしてしまった自分が急に恥ずかしくなる。
「本気にした?」
「も、もうっ! 本当やめてよ、玲くん!」
「え」
「え?」
立花くんが急に固まる。
……わたしなにか変なこと言ったかな?
「……なに、今の」
「へ?」
「……名前」
って、あああ!
わたし、もしかして今、"玲くん"って呼んじゃった!?
「や、ち、違うの……これは……!」
湊につられちゃっただけで、決してずっと玲くんって呼びたかったとかじゃ!
いや、呼びたかったんだけど……そうではなくて……!
わたしがモゴモゴしている間にも、みるみる赤くなっていく立花くん。
ま、マズかったかな? 急に下の名前で呼んじゃうなんて……