【完】立花くんは愛し方を間違えてる。
ほぼ涙目のわたしの後頭部にスッと差し込まれる大きな手。
絶対、触れるだけの優しいキスにこんな固定がいらないことなんて、わたしにも分かる。
今からされるキスを想像して、ぎゅっと目を閉じると……
ふっと優しく笑う声が聞こえた。
「その顔が見たかったんだよね」
───え?
って、そんな声とともに、唇が重なる。
最初は、触れるだけの優しいキスから、ついばむようなキスへ。
そして、だんだんと、深く……
「んんっ……」
嘘でしょ。これが1時間も!?
わたし、死ぬのかもしれない……。
薄く目を開くと、どアップで立花くんの綺麗な顔がうつって。
最後の景色がこれなら、まあいいかなぁと思いかけたとき。
「はい、終了」
……唇が離れた。