【完】立花くんは愛し方を間違えてる。
「え、も、もう!?」
1時間経ってないよね? それどころかまだ、5分も経ってない……
ハッ! それとも、気づかぬうちに気を失ってたとか?
「え? もっと、したほうがよかった?」
「い、いえ! 滅相も無い!」
「……その言い方、ムカつく」
ぎゅむ、と両手で頬を挟まれる。
少し、不機嫌そうな顔。
かと思えば、ふふんと意地悪く笑って。
「おまえみてーな初心者にできるわけないだろ」
また、からかわれた……
本気にしたのに。
覚悟を、決めたのに。
至近距離で話しているから、立花くんの瞳に不満げな私の顔が映っているのが見える。
こんな顔してたら、まるで、本当にしてほしかったみたいだよ……。
そしてきっと立花くんにも、そう、見えたんだ。