【完】立花くんは愛し方を間違えてる。



私の顔を少し見つめたあと。


スッと目を伏せて。少し顔を傾けて。



わたしのまぶたと、頬にキスを落とす。




「すぐしてやるよ、嫌ってほどな」




……ほら、やっぱり。


別してほしくなんてないよ。



全然、期待してなんかない。


だって、本当にそんなことされたら、次こそわたし、死んじゃうもん。




なのに、なんで───




立花くんの瞳に映るわたしは、こんなにも嬉しそうににやけてるんだろう。




それを誤魔化したくて、わたしは今日もこう言うんだ。




「立花くんの、いじわる……!」


「だめ?」


「〜〜っ」




……やっぱり立花くんは付き合い始めても、わたしに意地悪をして生きがいを得ているらしい。



やっぱり、どう考えても愛し方を間違えてるとしか思えない……。




でも。



「だめじゃ、ない……よ」



そんな立花くんの愛し方も悪くないと思ってしまうわたしはきっと。


もっと、何かを間違えてる気がする。





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