【完】立花くんは愛し方を間違えてる。
そしてその後の入学式……
俺と成田はまた同じ教室で、隣の席で再会することとなる。
───ま、覚えてたのは俺だけだったけどな。
『は、初めまして……た、立花くん』
『……』
忘れられた、っていう苛立ちもあったんだろうか。
俺はなぜか、成田をいじめたくてしょうがなかった。
最初は、いつも何か言いたそうにしてるくせに何も口に出さないあいつが少し、もどかしかった。
でも、だんだんと、俺の一言にころころと表情を変えるあいつが面白くて。
いつのまにか、構いたくなってた。
……本当の俺は、こんなのじゃないはずだった。
元々、冷めた人間のはずだった。
女には優しく、がポリシーのはずだった。
……成田と、出会うまでは。
(おまえは、何も知らないだろうけど。)