【完】立花くんは愛し方を間違えてる。
ってまあ、そんな事があったわけで。
「……いつのまにか、好きになっちゃってたんだよね」
という成田の声で現実に引き戻される。
一瞬、俺のことを言われたのかと思った。
……つーかあいつ、ネコ相手に何ベラベラ恥ずかしい事喋ってんだよ。
っていうかそれに、満更でもない俺ってなんだよ。
普段直接ではなかなか聞けない、成田の本音が聞けて、少し嬉しいと思っている自分がいる。
気持ちわりい。
でも、これも、悪くない気がするんだ。
「どうしよう、でぶちゃん。……わたしだけ、どんどん、玲くんのこと好きになってっちゃう……」
(……は?)
きゅう、とまるで胸を鷲掴みにされたかのような感覚。
頭が真っ白になったかと思えば、次の瞬間にはぐちゃぐちゃになって。
俺の脳内は忙しい。
……だってこれは、どう考えも、あいつが悪い……。