【完】立花くんは愛し方を間違えてる。



その顔って、一体どんな顔してんだ? 俺。



きっと成田が可愛くて仕方ないって顔してるんだと思うんだけど……違う?




「〜〜立花くんのバカぁ!」



「もう玲って呼ばねーんだ?」



「……!」




みるみる、成田の顔が真っ赤に染まっていくのが楽しい。



ほんとうに、成田といると楽しい。




ぎゅっと手を握ると、まだ慣れないようでビクッと小さな肩が跳ねる。


いい加減慣れても欲しいもんだが……別に、いい。




この手を離したくない。


ずっと。





「知ってる? 俺、けっこうおまえに……ベタ惚れ」





今は結われていない、あの時よりも伸びた、胸元あたりまである、色素の薄い髪。


光に当たって輝いて、綺麗だ。



同じように色素の薄めの瞳に、じんわりと涙がたまっていく。





なあ、おまえは知らないだろうけど。


俺は、あの日からずっと───





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