【完】立花くんは愛し方を間違えてる。
だって。
立花くんがまた、すこし、赤くなっている。
頬杖をついてそっぽを向いてはいるけれど、耳が、すこしだけ。
でも相変わらず、わたしの頭の中には「?」しか浮かんでこない。
え? ど、どこに赤くなる要素があった……?
わたし、なんか、変なこと言ったかな?
えっと、これって、いちおう、照れてるんだ……よ…ね?
「おまえ。ほんとバカ。今頃気づいたのかよ」
「ええっと、立花くん?」
「……なに」
「あの……、最近気になってるんだけどさ、もしかして立花くんって、」
あ、こんなこと言っちゃっていいのかな。
って、思ったときにはもう 口に出てた。
「…照れ屋さんなの?」
「……しょーもねーこと言ってんのはどの口だ? どーやって塞いで欲しんだよ?」
でも次の瞬間にはもう、いつもの大魔王に戻ってて。
ホントに口を塞ごうとしてるのか、立花くんの右手が近づいてきて、
ほんの一瞬、頬に触れる。
男の子に免疫のないわたしは、もう、それだけでドキッとしちゃって……
「っわ!!」
「おい、オメーら、仲が良いのは大変よろしいがな。もうとっくに授業始まってんだよ!!」