【完】立花くんは愛し方を間違えてる。



「わからないから、きいてるんだよ…」



わからないから。

立花くんというひとが。



わたし以外の人には優しいけど、誰かと積極的に話してる姿は、あまり見たことがない。


そもそも、"隣の席"っていう条件がなければ、きっと話すこともなかったようなわたしたち。




なのに、なのに、どうして。

わたしばっか、構うの。




「好きだから」




……え?



パッと目と目が合う。


最初、その言葉の意味が理解できなかった、


スキダカラ? スキ、ダカラ……


すす、好きだから!?




「へえっ!?!?」



「───おまえの、そのアホみてぇな顔」




ガツンと頭をハンマーで殴られたような衝撃が走った。


や、別に、期待してたワケじゃないもん。



ただ、本当に、すす、好きとか言われちゃったらどうしようって思っただけだから!!




立花くんなんかに好かれても、め、メーワクだし!



そもそも、好かれてるわけなんてないし!




< 33 / 245 >

この作品をシェア

pagetop